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整骨院・整体院の評価制度について
整骨院・整体院に共通する悩み事
整骨院のクライアント様の悩み事は共通しております。
多くの人が悩まれているものは売上についてです。
こちらの悩みは、大小あると思いますが、全ての方が抱えている問題と言えます。
開業当初に想定した売上が上がらない、売上が上がっていたのに安定せず下がってきたなど…。想定した売上が上がらない要因は、集客や技術、患者対応など様々な要因があり、経営を続ける限り悩みが尽きないものとなります。
そして、その次に悩まれるのは『人』についてです。
整骨院はサービス業になりますので、売上を生み出すのは『人』になります。
1人院を選択しない方は、必ず通る道だと思います。
『人』の問題というのも、採用や教育など様々ありますが、その中でよく話題にあがるのは、
「従業員の評価制度はどうしたら良いのか?」ということです。
悩みを抱えている整骨院のクライアント様は、様々なセミナーに行かれており、そちらで学んだ評価制度を導入されておられます。しかし、上手くいっている院は多くない印象です。
それはなぜかと言いますと、他院の成功事例をそのまま使用しているからだと思います。
私が考える良い評価制度とは、それぞれの院に合わした評価制度となります。
この理由は、経営者の想いや意識してほしいことはそれぞれだからです。
そのため評価制度を作成する場合は、しっかりと考えて作らないと、意味のないものになってしまいます。
人事評価制度とは
人事評価制度とは、従業員の能力や企業への貢献度を評価するということです。
従業員のパフォーマンスや労働生産性を、企業の目標と比較して、一定の期間やルールに従って評価をします。評価制度は、正しく運用することで企業の成長に繋げることができるため、多くの企業で導入されています。その一方で、一貫性や透明性がないなど評価制度に問題があると、従業員のモチベーションを下げることになりかねません。
人事評価制度には、「①報酬制度」・「②評価制度」・「③等級制度」の3要素があります。
①報酬制度
報酬制度とは、従業員の報酬を決める制度のことです。一般的には等級制度によって年収幅が決まり、評価制度によって年収の上がり幅が決まります。社員が報酬制度に納得していないと離職にも繋がる危険性があるので、報酬制度に対して従業員が納得しているものになっているかどうかは、経営者が注視しなければならないポイントと言えるでしょう。
②評価制度
評価制度とは、各従業員の貢献度をどのように評価するか定めた制度のことです。会社の方針によって、どのような人を評価するのか、どれくらい評価するのかを決めます。そのため、この評価制度は会社が恣意的に決めて、その会社の特色を出すべきところと言えます。
例えば…
◆遅刻や欠席などの勤務状況や日頃の勤務態度
◆院に対する協力姿勢などの貢献度
◆周りのスタッフとの連携
③等級制度
等級制度とは、従業員が保有するスキルや職務、役割に応じて区分し、階層化した制度のことです。等級制度はおおむね7段階で分けられ、多くてもそれをさらに3段階に分けた計21段階で設定されます。等級の幅が少なすぎると、次の等級に昇格するのが大変になり、等級の幅が多すぎると違いが説明できなくなってしまうという理由から、基本的には7段階の等級で設定している企業がほとんどですが、整骨院ではもっとシンプルにしてもいいかもしれません。
目的を大事にする
評価制度の目的は、整骨院の目標達成のために仕事をした従業員の仕事を評価するためにあります。
よく失敗をする例としましては、賃金を決定するだけに作成してしまうものがありますが、
『整骨院の目標達成のために仕事をしたことを評価する』という本質を大事にして作成しましょう。
◆処遇の決定 … 年齢給と職能給の合算で給料を決める従来の年功序列ではなく、従業員の能力や業績に合わせて処遇を決定する場合、客観的な基準に基づいた評価制度が必要になります。従業員の今までの業績や今後の期待値などを序列的に示すことで、賃金やボーナスを決定することができます。
◆人材の育成 … 評価制度を導入することによって取り組むべき課題が明らかになったり、それを活用して上司が部下をサポートしたりすることができます。評価制度の基準に透明性があると、従業員が自発的に成長機会を捉えるようになることも期待できるでしょう。
◆人員配置の最適化 … 従業員の能力や貢献度を客観的に評価することで、最適な人材配置が行えます。年功序列制度では、自動的な昇進により適材適所の人材配置が難しく、上司の判断に依存した評価は、主観が入って従業員一人ひとりの能力を正しく見定めることが困難になります。
◆生産性や業績の向上 … 企業が示す方向性を従業員が理解することで、生産性や業績を向上させることができます。そこで、評価制度を企業理念や経営方針と紐づけることにより、企業が求める人物像や進むべき方向を従業員に対して示すことになります。
評価制度のメリット
◆整骨院の目標達成のための組織を作っていける
◆正しく従業員の仕事の結果を評価し報酬やキャリアを決められる
◆会社でのキャリアステップが明確になることで従業員がキャリアを構築しやすくなる
◆従業員のモチベーションを向上させる
◆企業と従業員の信頼関係を作る
◆自社の人材開発に繋がる
評価制度を導入することで、成果や頑張りが給与や待遇に直結するため、従業員のモチベーション向上が期待できます。課題が見つかった場合でも、自発的に改善点を見つけて、積極的に取り組むようになることも考えられます。 従業員のモチベーションが向上すると、業務効率や生産性を高め、企業全体の利益へと繋がるでしょう。
また、透明性のある評価基準や、昇進・昇給の可能性を提示することで、従業員の独立や転職を減らすことが考えられます。
そして、評価制度は、従業員の自主的な成長を促すだけでなく、自社の人材開発にも役立ちます。評価制度により、従業員一人ひとりの能力やスキルを把握することができ、課題点が明確になるでしょう。
評価制度が必要な整骨院とは
評価制度が必要な整骨院・整体院は、5人以上が効果を発揮してきます。
5人以下の少人数であれば、経営者が目の届く範囲で、ある程度主観で評価ができるからです。また、従業員数を増やすことを前提にしない場合は、作成する時間・労力・金銭などのコストを無駄に使ってしまいます。
逆に従業員の人数が多くなれば、目が行き届かなくなると同時に、評価基準が曖昧になってしまう傾向にあるため、評価制度を作成するメリットがコストを上回ってきます。
忙しい整骨院の経営者は、評価基準を基にした客観的な評価制度を作成することで、評価の時間も短縮できるとともに、さらなる成長につながるでしょう。
評価制度の作り方
◆評価制度の目的を明確にする (整骨院のビジョンを決める)
◆どのような人を評価するのかを決める (ビジョンに向かって必要な人材の想定)
◆どの程度の差をつけるのかを決める
評価制度をつくる前に、なぜ評価制度をつくるのかを明確にしましょう。給与を決めるための評価であれば、評価制度と連動した報酬制度も一緒に決める必要があります。
経営者の理想の院や組織の方向性をしっかりと軸に決まることが大事です。その理想とは、経営者それぞれのため、評価制度は千差万別となります。
その理想の院のために、評価をするポイントもまたそれぞれです。
成果を出した人を評価するのか、はたまたプロセスに重きを置くのか、それとも挑戦した人を評価するのかによって、評価制度の中身は大きく変わってくるためです。
この評価基準には、売上から算出される理想の数字があります。
弊社DOORSが整骨院の記帳代行するにあたり、複数の整骨院・整体院の財務状況を並行して見ているため、理想の数字が統計でわかります。
まずは理想の数字を知った上で、評価制度に落とし込むのが良いでしょう。
また、作成にあたり重要ポイントは
『評価の正しさよりも経営者と従業員、双方の納得感が大事』です。
評価制度の正しさを突き詰めてしまうことがありますが、「正しさ」は人それぞれ異なります。そのため「正しさ」ではなく、評価する側も評価される側も、納得感を持っていることを重視しましょう。納得感がない状態ですすめると、評価される側(従業員)にとって評価が意外なものであったときに対立してしまう場合があります。
しっかり従業員とコミュニケーションを図り、経営者の求めているビジョンと、従業員の求めているビジョンを確かめながら作成していくことが大事です。
まずは評価制度の目的を明確にするところから始めましょう
従業員が5名以上在籍し、規模拡大を考えられている場合には、作成しても良い状態と言えます。
しかし、整骨院の規模拡大を想定せず、従業員が少ない場合は主観でも問題ない場合が多いので、評価は主に売上などから算出することが多く、人件費が40%以下になることをお薦めします。
実際の限度額は売上の規模によりますので、一度弊社に無料相談してみてください。
評価制度を作成するにあたり一貫性や透明性を意識しながら、『評価の正しさよりも経営者と従業員、双方の納得感』を大事にしましょう。その目的としては、従業員のモチベーションを向上し、業績アップにつながるものが理想です。シンプルかつ継続的に使用できるものにしましょう。
また、給与に反映させるためには、各員の数字をもとに、評価基準をしっかりと作成しましょう。
作ったはいいが非現実的なものになってしまったり、複雑になって面倒になってしまったりしては意味がありません。
専門家のアドバイスと客観的なデータをもとに、理想の院作りを叶えるための評価制度を作ってみましょう。